過去に大ヒットしたカバー曲を検証してみると、どれも『オリジナル曲が世間的にほとんど無名の場合である』ことに気づく。
例えば、ニルソンがカバーした『Without you』。
オリジナルのバッドフィンガーのものはほとんど売れなかった。しかしニルソンはより良くカバーをすることが出来たのでビッグヒットになった。
同じことは、ロッド・スチュアートが歌った『Sailing』にもいえる。
この曲のオリジナルはサザーランド・ブラザーズによるものであるが、オリジナルVer.よりもロッドのカバーVer.の方がずっと出来が良かったので
カバーのほうがビッグヒットになった。
他にも幾つも例がある。
ホイットニー・ヒューストンが歌った『Greatest love of all』、『I will always love you』しかり、
カーペンターズが歌った『マスカレード』、『Please Mr.postman』、『A song for you』しかり、
ロバータ・フラックが歌った『やさしく歌って』しかり、
フランク・シナトラが歌った『New York,New York』、『Fly me to the moon』、『My Way(曲のみ)』しかり、
トム・ジョーンズが歌った『Love me tonight(曲のみ)』しかり、
ポール・モーリアの『オリーブの首飾り』しかり、
このように見て行くと、『世間的には無名であるけれども、魅力のある曲をより良くカバーする』というやり方が簡単にビッグヒットを作る法則といえるだろう。
ただし、魅力があって無名という曲を探すのは、砂金を採ることと同じくらいに困難であろう。